【はじめに】レーザー干渉加工を用いると、加 工スポット内で周期ナノ構造が作製出来る。こ こでビームプロファイルがガウシアンである 場合、フルエンス分布に由来した形状分布が生 じる。またビームの断面形状が円であるため、 マルチショットによる大面積加工ではデッド スペースが生じる。これらを解決するには、ビ ームプロファイルをトップフラットかつ矩形 にする必要がある。従来法に光学濃度勾配を有 するフィルターが在るが、トップハット形状が 固定であり、またビームプロファイルの変化に 対応出来ない。本研究では、空間光位相変調器 (SLM: Spatial Light Modulator)による矩形トッ プフラットビームの形成実験を行った。 【実験方法】実験装置を Fig.1 に示す。光源に は中心波長 785 [nm]、パルス幅 194 [fs]のフェ ムト秒レーザー(Cyber laser, IFRIT)を用いた。 ビ ー ム を SLM (Hamamatsu LCOS-SLM X-10468-02)に入射し、位相グレーティングを 用いて周期的な位相分布を与える。4f 光学系 (f=150 [mm])のフーリエ面で空間周波数が高い 成分をカットする事で、出力面へ透過する 0 次光の振幅分布を制御した。ビーム強度分布の 測定では、4f 光学系(f=150 [mm])で SLM が像 転送される位置でビームプロファイラーを配 置した。 【結果】Fig. 2 に(a)SLM 入射時と(b)整形後の ビームプロファイルを示す。空間フィルターと して用いたピンホールの直径は D=2.0[mm]で ある。元のピークフルエンスの 66.1%、中心を 通る横方向のばらつきが 3.7 [rms]でトップフ ラット化する事に成功した。