キョウチクトウ科テイカカズラ属のうち,国内にはテイカカズラとケテイカカズラが広く自生しており,緑化にも利用されている。また,これら原種のほか,園芸品種が流通している。しかし,園芸品種と原種との類縁関係は解明されておらず,品種の分類に関するまとまった報告も無い。本研究では国内で流通しているテイカカズラ類園芸品種35種類を収集し,生殖器官および栄養器官の形態調査を行い,これまでに明らかにされているテイカカズラ類原種の形態と比較した。その結果,6品種がテイカカズラ由来の成熟相,2品種がテイカカズラ由来の幼若相,2品種がケテイカカズラ由来の成熟相,5品種がケテイカカズラ由来の幼若相であることが明らかになった。また,生産,流通時における品種名の混乱の実態が明らかとなった。