Skip to search formSkip to main contentSkip to account menu

Lycodes

Known as: Petroschmidtia 
National Institutes of Health

Papers overview

Semantic Scholar uses AI to extract papers important to this topic.
2015
2015
海底堆積物中では、一般的に、光合成を利用して作られた有機物やその分解生成物に依存した生態系がひろがってい る。その一方で、無機化合物(メタンや硫化水素等)の化学反応によりエネルギーを獲得する化学合成生態系の存在が 知られている。メタン湧出域では、化学合成生物群集として大型生物(二枚貝、巻貝、甲殻類やハオリムシ)が卓越する ことがある。化学合成細菌を体内に共生するタイプの生物と化学合成細菌(バクテリアマット)を直接捕食するタイプ の生物の 2つにわけられる。また、それらの生物を捕食する生物も化学合成生態系の一員となる。日本海のメタン湧出 域では、重要な漁業資源であるベニズワイガニが湧水の周りに集まる様子が観られる。また、深海の冷湧水や熱水噴出 域でみられる化学合成生物群集の代表種として知られる巻貝のプロバンナの生息が確認されている。しかし、その生態 とメタンが生み出す化学エネルギーとの関連性は明らかとなっていない。 そこで本研究では、上越沖メタンハイドレート賦存海域の生物群集の生態系を明らかにするため、カニ、ゲンゲ、バ イ、ヨコエビ、ゴカイ等の炭素・窒素安定同位体比を測定し、食物網の解析を行った。炭素と窒素では摂食・同化の際の 同位体分別効果が異なるため、捕食者と被食者の安定同位体比を比較することで、栄養起源と栄養段階の解析を行った。 2013年 9月 23日から 30日にかけて、日本海上越沖のメタンハイドレート賦存海域として、海鷹海脚、鳥ヶ首海脚に おいてスラープガンやクマデを用いて底生生物をサンプリングした。また、MBARI 採泥器を用いて表層 0 ̃2.5, 2.5 ̃5 cm の堆積物試料のサンプリングを行った。メタン湧出域ではないレファレンスサイトとして上越海丘のサイトでもサンプ リングを行った。底生生物試料は船上で解剖し、分析まで冷凍保存した。研究室に持ち帰った試料は、凍結乾燥により 粉末状にし、銀製コンテナに秤量後、塩酸蒸気で無機炭素除去、NaOH蒸気で中和処理を行った。助燃のため、乾燥した サンプルをすず製コンテナで再梱包を行い、同位体比質量分析計 (Flash 2000, Thermo Scientific 社)により炭素および窒 素の安定同位体比の測定を行った。表層堆積物試料は、3%塩酸溶液を添加し、ホットプレートの上で脱炭酸処理を行っ てから、秤量、梱包を行い、安定同位体比の測定を行った。 その結果、ベニズワイガニとノロゲンゲについて、メタン湧出の影響のないレファレンスサイトとメタンハイドレー ト賦存海域のシープサイトの両サイトで採取したが、その炭素・窒素安定同位体比の値に有意な違いはなかった。その 他に、大型肉食生物のイカや一部のオオエッチュウバイがそれらと近い値を示した。ベニズワイガニについて、イカの 捕食や共食いが海底において観察されているが、炭素・窒素安定同位体比の値から、小型甲殻類やプランクトン、懸濁 態有機物等が主食と考えられた。つまり、ベニズワイガニはシープに集まる様子が観察されているが、食性はシープ依 存ではなく、光合成生態系群集の一員であることが示唆された。 化学合成生物群集の代表種として知られるプロバンナが、シープサイトで採取され、炭素・窒素安定同位体比におい てゴカイと近い値を示した。アゴゲンゲはその同位体比からプロバンナやゴカイを捕食していることが示された。実際 に、アゴゲンゲの胃内容物の直接観察により、プロバンナを確認しており、プロバンナとアゴゲンゲは捕食-被食関係に あるといえる。プロバンナ、ゴカイ、アゴゲンゲの炭素安定同位体比は、前述した光合成生物群集である肉食動物等に 比べて、軽い値を示し、それらは、化学合成細菌からなるバクテリアマットを利用する化学合成生物群集と考えられた。 一方、オオエッチュウバイはサイトによって異なる炭素・窒素安定同位体比を示した。オオエッチュウバイがサイト により栄養起源と栄養段階が異なる餌を食べていることが示され、幼体、成体での食性の違いよりもサイトによる食性 の違いが大きいことが明らかとなった。 今回の炭素・窒素安定同位体比の測定では、胃内容物の直接観察のような調査に比べ、さまざまな種において同様な 処理を行い、食物網の解析を行うことができ、メタンハイドレート賦存海域に生息する生物群集がメタンシープに依存 しているか否かを明らかにすることができた。 本研究は経済産業省のメタンハイドレート開発促進事業の一環として実施されたものである。 
2014
2014
Recent studies have revealed the impact of the drastic climate change during the last glacial period on coastal marine and… 
2013
2013
The subfamily Lycodinae is represented in the Sea of Japan by two genera (Lycodes and Petroschmidtia) and seven species (Lycodes… 
2012
2012
Following a comparative analysis of the morphological characters of the representatives of the genera Petroschmidtia and Lycodes… 
Review
2012
Review
2012
Based on data from studies that were performed in 2006, 2007, and 2009, we analyzed the distribution and some features of the… 
2011
2011
Adolf’s eelpout, Lycodes adolfi, was found at five bottom trawl stations in 2007–2009, on the slope towards the Sofia Deep north… 
2007
2007
New findings of representatives of the endemic Sea of Okhotsk species—eelpout Lycodes semenovi Popov, 1931 (Perciformes… 
Review
2006
Review
2006
Off the western coast of Sakhalin, individuals of the white-spotted petroshmidtia Petroschmidtia albonotata (Zoarcidae… 
2006
2006
A taxonomic study of the family Zoarcidae was conducted using fish collections deposited in the Department of Biology, Chonbuk…