今回,私たちは高カリウム血症による心肺停止に由来する無酸素脳症を発症し,その結果として高次脳機能障害症状を呈した症例を経験した.患者の行動と言動は一見,正常にみえるため私たちは最初高次脳機能障害の存在を認識できなかった.しかし,患者の注意,行動障害は著しく,それを確診した後はMSWスタッフ(Medical Social Worker Staff)と協力しながら医療,福祉両面からの援助を行った.その結果,患者は福祉スタッフの側面援助を受けながらではあるが独居生活が可能となり現在本院に通院中である.