金属キレートを水溶液中より有機溶媒中に抽出する,いわゆる液液抽出法は分光光度法による金属の微量定量などに広く使われている.しかし,ときにはキレートの有機溶媒への分配率が低かったり,両相間の界面の分離がわるかったり,あるいは分液操作がめんどうであったりすることがしばしば経験される.著者らは今回比較的分子量の大きい,したがって常温では固体であるような有機化合物,たとえばナフタリン(融点:80.05℃),ジフェニル(70.5℃)などを溶媒として用いることによって上記の欠点を補うほか種々の新しい利点のある分離法を考えた.Fig.1は銅-オキシンキレートのジフェニルクロロホルム混合溶媒中における吸収スペクトルであるが,この410mμにおける極大吸収を利用して銅の微量定量を行なうことができる.その操作は次のようにする.