1. 緒 言 近年、再生可能エネルギーの固定買取制度の開始などに より、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの電力 系統への連系量が拡大している。特に北海道は、再生可能 エネルギーの適地であることから、連系量が多く、これら 再生可能エネルギーの出力変動による電力系統への影響 が懸念されている。こうした背景のもと、当社は北海道 電力(株)の南早来変電所に世界最大規模となる60MWh(= 15MW×4h)のレドックスフロー電池(以下、RF電池と 略す)システムを設置し、電力系統安定化を目的とした制 御技術の開発、蓄電池の性能評価を行うため、経済産業省 の補助金を受け、実証試験を2015年12月から開始した。 一方需要家側では、受電電力最大値を抑えるピークカッ トや自然災害などに起因する電力系統停電時においても 必要最小限の事業を継続可能とする事業継続計画(BCP: Business Continuity Plan)への関心が高まっている。ま た、従来の電力会社からの片方向の電力供給と異なり、 需要家の分散電源や節電を統合して有効に電力を利用する デマンドレスポンス(以下、DRと略す)という新しい仕 組みが生まれつつある。これらの複合的な需要家用途を目 的に(株)大林組の技術研究所内に3MWh(=500kW×6h) のRF電池システムを設置し、2015年2月に運用を開始し た。本稿ではRF電池の特徴や導入したRF電池設備の運用 例について報告する。 2. レドックスフローの原理と特長 図1に示す通り、RF電池は電池反応を行う電解液流通型 セル、電解液を貯蔵する正負極のタンク、さらに電解液を タンクからセルへと循環するポンプ、配管などから構成さ れる。当社のRF電池では、電解液として正負極共に硫酸 バナジウム水溶液を用いており、以下の反応式(1)、 (2)に て充放電を行なっている。