[研究背景] オゾンガスは水処理プラント等において殺菌処理のために使用されている。しかし, オゾンは自然環境や人体に影響を及ぼすため,大気に放出されるガスや作業環境のオゾン濃度の 測定,監視が重要となっている。一方,紫外線吸収方式のオゾン濃度計測には水銀ランプが使用 されており,有害な水銀が含んでいるという問題がある。そこで本研究では,水銀ランプに代わ る新たな光源として,深紫外 LED(Deep Ultraviolet Light-Emitting Diode :DUV-LED) を用いたオゾ ン濃度測定装置の開発を行ったので報告する。 [装置の試作] 使用した DUV-LED のピーク波長は約 265nm であり,オゾンガス濃度によって 光の減衰率が変化することを確認した。この結果に基づき,装置は光源部,測定セル,受光部, データ処理部で構成し,データ処理部は以下の点に着目して設計した: (a)DUV-LED は点灯時間と自身の発熱によって光量が低下するため,出力をソフト的に可変で きるものとする。(b)点灯にはパルス駆動(サイン波)を用い,電気的ノイズ除去のためロック インアンプを適用する。(c)点灯直後の不安定性を除去するため,新たにパルス間を完全消灯せ ずに出力を弱める方式を導入した。 最終的な装置は,既存の測定器の 1つで あるオキトロテック社製 OZM-7000GN と 同程度の筐体サイズ(幅 43cm, 奥行き 19.5cm, 高さ 10.5cm)となった。 [評価結果] 図 1 は実際にオゾンガス を発生させ,OZM-7000GN による測定結果 とDUV-LED光の減衰率から試作装置の検 量曲線を引いた。その結果,オゾンガス濃 度 0~1ppmにおける最大誤差は 0.1ppm以 下であった。DUV-LED は水銀に代わるオゾン計測用光源として利用可能であることが確認できた。 今後は産業利用に向け,光源や装置の長期的な評価が必要である。 [参考文献] [1]吉田,青柳他 2010 年秋季第 71回応用物理学会学術講演会 15p-ZG-2 第62回応用物理学会春季学術講演会 講演予稿集 (2015 東海大学 湘南キャンパス) 12p-P3-3