マグ ロは 日本 にお ける最 も重 要な水 産物 の一 つであ るが, 近年養殖マ グロの輸 入量 が急増 し, 日本 のマグロ 市場 に大きな影響 を与えてい る. 最大 の養殖 マグロ生産 国で あ るオー ス トラ リアで は ミナ ミマ グ ロSouthern Bluefin Tuna(SBT, Thunnus maccoyii)が 養 殖 され てお り, その生産 は2000年 には年 間9,000ト ン, 3億 豪 ド ル を超 える規模 に達 した. その産業 的特 徴は, 養殖関連 産業が 豪州南 部のポー トリンカンに集中 してい ること, 養殖 用の小型 魚採捕 や養殖管 理が政府 に よって厳 し く 管理 されている こと, 研究機 関が集積 し, 生産者 と深 く 関わ っているこ と, お よび 出荷先 は 日本であ り, 日系輸 入業者 との関わ りが強 い ことである. M. ポーターの競 争優位論 に基づ いて国際競 争力 を評価す ると, 関連産業 と養殖 用小型 魚漁獲割 当 のポー トリンカ ンへ の集 中に よって, 豪 州国内での新規参入 は予想 されず, また売 り 手 も同地の関連産業に限定 されるため, 国内では優位性 を持 っている. しか し, スペイ ンを初め, 地 中海 にお け る養殖生産国お よび生産量 が急増 している. 地 中海諸国 で養殖 され るクロマグ ロは 日本市場 では ミナ ミマグ ロ よ り高 く評価 され, ミナ ミマ グロはクロマグロの代替品 として位置づけ られる. さらに豪州か ら日本への輸 出は 日系輸入業者 に全面 的に依存 するため, 輸出に関してイ ニシアテ ィブを とりに くい. 生産 コス トな どの内部的な 要 因については十分検 討されていない ものの, 外部環境 要 因か らす ると豪 州にお けるマ グロ養殖業 の国際競争 力は脆弱であ ると言 うこ とが できる. その対策 として, 良質な肉質に基づ く差別化戦 略が必要 であろう.